2010年12月15日水曜日

バニラ・スカイ


監督:キャメロン・クロウ
製作総指揮:ジョナサン・サンガー/ダニー・ブラムソン/フェルナンド・ボヴァイラ/ビル・ブロック/パトリック・ワクスバーガー
製作:トム・クルーズ/ポーラ・ワグナー/キャメロン・クロウ
脚本:キャメロン・クロウ
撮影:ジョン・トール
音楽:ナンシー・ウィルソン

キャスト
トム・クルーズ
ペネロペ・クルス
カート・ラッセル
ジェイソン・リー
ノア・テイラー
キャメロン・ディアス

 第5回、『バニラ・スカイ』です。とりあえず、今回もクリスマス特集は、お休みで。本作『バニラ・スカイ』もクリスマスの時期にはぴったりの映画なんですけどね。この作品を観る前、僕の周りの人の本作への評判があまり良くなかったので、さほど期待をせずに観たのですが、初めて観たときの印象は、時間が経つにつれて、じわじわその良さが伝わって来て、また観たくなる、そんな感じでした。つまり、好き嫌いが大きく分かれる作品だと思います。ですが、僕は、みなさんにぜひ観ていただきたい。自信を持ってお勧めします。
 『あの頃、ぺにー・レインと』や『ザ・エージェント』のキャメロン・クロウ監督作品です。僕の大好きな監督のひとりです。


 さっそく、あらすじですが、以下になります。

 マンハッタンの豪邸に住み、高級車を乗り回し、おまけにハンサム。完璧な人生を謳歌する出版界の若き実力者デヴィッド・エイムス。ジュリーという美しい恋人もいて、何不自由ないはずが、どこか物足りなさを感じていた。そんなある日、デヴィッドは親友の恋人ソフィアに一目惚れしてしまう。しかし、デヴィッドの心変わりを敏感に察したジュリーは、嫉妬に駆られて自ら運転する車でデヴィッドとともに崖に突っ込んでしまう。奇跡的に一命を取りとめたデヴィッドだったが、その顔は怪我のために見るも無惨に変わり果ててしまう……。

 実は、この作品、東京国際映画祭でグランプリをとった、スペインのアレハンドロ・アメナバール監督作品「オープン・ユア・アイズ」のリメイクなのです。そして、ペネロペ・クルスは、同じ役で登場します。オリジナルに比べると、音楽の使い方がポップで、総会で心地よく、かつ、おしゃれです。監督がロック・ジャーナリストから出発したキャメロン・クロウ、音楽がクロウの奥さんでロックバンド歌手のナンシー・ウィルソンだというのが効いているに違いありません。

 この作品の魅力のひとつは、映像のセンスや音楽の選曲センスが非常に良く、それが、映画の中で良く融合していることにあると思います。前半は、あれ、普通のラブストリー?って思うのですが、後半に進むにつれて、SFミステリーの匂いを醸し出してきます。そして、ミステリーのできが非常に良く、おそらくラスト30分まで何が何か分からいと思います。僕も、ラスト30分までは、ひたすら頭の中が混乱して、今が、現在なのか、過去なのか、未来なのか、さっぱりわからないのですから。しかし、謎解きがされて非常にすっきりし、“そういうことなんだ、すごいなぁ”と思えるはずです。そんな映画です。

 実に、一級品のSFミステリー&ラブストーリー(エターナル・サンシャインとか、バタフライエフェクトとかと系統は似ているかも)です。途中から、何がおこっているのか、観ている側も混乱し、ともすれば途中で観続けるのが嫌になってきてしまいところを、絶妙の映像&音楽センスでうまくフォローしてくれます。それによって、どっぷりと非現実空間に浸れます。

 映画冒頭のトム・クルーズが無人のニューヨークの街中を疾走するシーン(日曜日に撮影したらしのですが、ニューヨークも街を全面交通規制をしいたらしいです。さすが、ハリウッド、すげえ…)は、個人的にかなりのお気に入りですね。

 Sigur rosファンとしては、ラストに彼らのUntitled4という曲が流れたときは、もう感動はピークでした。

 この映画は、作品の核心を突いてしまうとネタばれしてしまうので、映像表現中心の批評になってしまいました。ですが、しっかりとしたメッセージのある作品です。それは、ご自身の目で確かめてください。

しかし、ペネロペ・クルス、かわいいな~。

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