【監督】小津安二郎
【出演】笠 智衆、東山千栄子、原 節子、 杉村春子、山村 聡 他
第二回、『東京物語』です。なぜか最近、僕の周りで『東京物語』を耳にすることが多いので、このたび投稿しようかと思います。言わずと知れた小津安二郎監督の日本を代表する傑作です。しかし、悲しいことに、映画離れが叫ばれる中、本作を見たことが無い方は案外多いのではないでしょうか。 『東京物語』は、小津の最高傑作と位置付ける意見も多く、世界的にも有名で、日本映画の最高峰と評されることもあります。独立した子供たちの元を訪れる祖父母と、それを快く思わない子供達を通して、家族の絆、老いと死、人の生き方、それらを見事に描いた作品です。
周りに欲を出しても、みな変わっていく。
人生はあっという間で、儚くもあり、辛くもある。
しかし、考えてみるとどこかに幸せがある、小さくても必ずある。
その幸せを尊重し、大切にしたい、そんな心が小津作品の最も深い所に根付くものだと思います。その精神は、本作の底流にもしっかり流れています。
小津監督がもっともこだわり、描き続けたものは、“家族”というテーマでした。そこには、過剰な演出や娯楽性はなく、徹底して、“崩壊” “
本作は、そんな小津精神の集大成ともいえる作品です。
小津監督にとって東京は、その儚さの象徴であったのでしょう。現代の核家族化や一人暮らし高齢者問題・・・その儚さは、今まさに社会問題にまで発展しています。本作は、現代を生きる日本人への静かな警鐘なのでしょうね。
改めて、小津安二郎監督に謹んで敬意を払いたいと思います。
上京して、一年半、たまには、田舎の両親に僕から電話してみようかな・・・。
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