アメリカ 1946年
監督・脚本:フランク・キャプラ 『或る夜の出来事』
脚本:アルバート・ハケット
脚本:フランセス・グッドリッチ
キャスト:ジェームズ・スチュワート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア、ヘンリー・トラヴァース、トーマス・ミッチェル、ボーラ・ボンディ、フランク・フェイレン、ウォード・ボンド、グロリア・グレアム
『素晴らしき哉、人生!』、この映画は、19
しかし現在では、この作品の持つ素晴らしさ、親しみやすさが再認識され、アメリカ映画協会が選ぶ「元気が出るアメリカ映画ベスト100
この映画は、人生哲学を奏でた、とても心温まる名作です。温もり、悲しみ、苦しみ、喜び、そんな心情が、包み隠さず、ダイレクトに心に響き渡る人間讃歌です。
冒頭に語られる子供時代のシークエンス、これらすべてがクライマックスへの伏線となっていることは後から驚かされます。一つの物語として全く無駄が無く、すべてのシーンに意味がある。またフランク・キャプラの映画作りへの細部のこだわりが、ちりばめられています。
・悪徳富豪ポッターの部屋にある椅子の高さ(自分の権威を示すため相手の席を低くしてある)。
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話は蛇行しますが、現代ハリウッド映画は、3Dや特殊効果のすさまじい発展の裏腹に、物語の持つ力というものが衰退して来ている、なんて言われたりしています。その物語としての力は、本作において、とても力強くみなぎっています。映画評論家、蓮見重彦氏は次のように言っています。「しばしば肝心な点が見落とされがちである。それは、映画が、一世紀という時間をかけて、ゆっくりと完成に近づいたのではないという事実に他ならない。1895年に誕生した瞬間から、映画はすでに充分すぎるほど映画だったからである。」 その言葉は、まさに本作に当てはまるでしょう。
そしてこの映画の主幹となる、度重なる逆境と、そこにある、小さな幸せ。しかしその幸せは、ささやかであっても大きな愛に溢れていることに気付かされます。苦しい時でも身を削っての人助けをし、しかしそれは、いつか必ず自分に戻ってくる。
改めて、いかに多くの人が自分の生を支えられてくれているのか考えさせられました。
生きていることへ感謝を、たくさん感じさせてくれる逸品です。
やっぱ、映画はハッピーエンドでなきゃね。
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