2011年1月1日土曜日

ラヂオの時間


1997・日本
監督と脚本:三谷幸喜
製作:村上光一、高井英幸
出演:唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、井上順、渡辺謙ほか

 新年あけましておめでとうございます。読者6人(僕の家族含め)と言われるこのブログも皆さんのおかげで無事新年を迎えることが出来ました。2011年も少しでも多くの方に「映画っていいな~」って思ってもらえることを目標に進めて参りますっ!

 新年一発目の一本は、家族、友達、恋人と一緒に観て面白くて楽しい映画です。三谷幸喜監督、処女作『ラヂオの時間』。とにかくこの映画は誰か一緒に笑えて、楽しい。お正月に家族で、なんて時にはもってこいの映画です。もちろん一人でも。

 あらすじは、
 初めて書いた脚本がラジオドラマに採用され、やや緊張気味の主婦・みや子。まもなく生本番というタイミングで、主演の大女優が役名をリツコから、メアリー・ジェーンにしたいと言い出した。大女優の機嫌を損ねたくないプロデューサーは、彼女の役名だけでなく他の登場人物の名も勝手に外国人名に変更する。その事がきっかけで、出演者たちは口々に不平不満を言い出す。そのうち、メロドラマだった脚本がやがてアクションものへと変わっていくのだった。

 本作のシチュエーションの最たる部分は、やはり
・ラジオドラマの生放送であること
・そして、ラジオ局内だけのストーリーであること
でしょう。生放送であることが、スリル満点のハプニング劇を生み出し、ラジオ局内に限定したことが、シンプルで洗練された会話劇を生み出しています。

 さらに登場人物一人一人がとっても魅力的です。いかにも「業界人」といった面々のそれぞれの個性が実に愉快。スポンサーや声優たちへの気配りに終始している定見のない編成マン(布施明)。その配下で放送さえできれば内容なんてどうでもいいプロデューサー(西村雅彦)。オリジナルを無視して「早い、拙い」で支離滅裂な台本を書き上げるの作家(モロ師岡)。こうるさいごますりの腰巾着マネージャー(梅野泰靖)。「上を見上げる」という表現はおかしい、「上を見る」だといって譲らない几帳面なアナウンサー(並木史郎)等々数え上げればきりがないが、登場人物の面白さはもちろん出演者の演技が光っているからでもあります。ほかにも細川俊之、戸田恵子、近藤芳正、井上順、小野武彦、梶原善、唐沢寿明、藤村俊二、渡辺謙といった有名・無名の一癖も二癖もある役者たちがそれぞれの持ち味を存分に発揮しています。

 限られたシチュエーションを創り出し、そこでのおかしな人間模様を少し斜めから見る。まさに三谷コメディの原点であり真骨頂。

 始め観たときは、気付かない方も多いかと思うのですが、トラックの運転手役で渡辺謙が出演しています。これは、三谷幸喜監督が敬愛する伊丹十三監督の作品『たんぽぽ』へのオマージュです。


 『ラヂオの時間』。観るときっと今年一年頑張ろうかなって思える作品です。



 では、2011年があなたにとって素晴らしい年となることをお祈り申し上げます。
 

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